「今はまだ気持ちの整理がつかないので、考えが固まってから起業しようと思います。」「不安がなくなったら動こうと思っています。」起業や新しい一歩を考えている人に、このようにお話される方がいらっしゃいます。慎重で真面目な人ほど、そう思うものです。そうなると、なかなか起業にたどり着けない、ということがあります。起業に向けて前に進めている人たちを見ていると、不安が消えてから動いた人は、ほとんどいません。
◆ 不安=動けない、ではない理由
動けないのは不安があるからだと思いがちですが、実はちょっと違います。「行動=大きな決断」だと思ってしまうことで、動けなくなっているのです。起業する、会社を辞める、お店を持つ、大々的に発信する。こうした“人生が一気に変わりそうな行動”を想像すると、不安が強くなるのは当然です。
さらに、「失敗したらどうしよう」「家族にどう思われるだろう」「続けられなかったら恥ずかしい」と、まだ起きていない未来を一気に考えてしまうと、不安はどんどん大きくなります。これは気持ちが弱いからではなく、考える対象が大きすぎるから起こる現象です。
◆ 目標を「不安をなくす」にしないことで動き出せる
一方で、不安があっても動き出せる人は、考え方が少し違います。彼女たちは「不安をなくす」ことを目標にしていません。代わりに、「今できるサイズの行動は何か?」を考えています。
たとえば、いきなり起業するのではなく、自分の考えをノートに書いて整理してみる。誰か信頼できる人に、今の気持ちを話してみる。イベントやマルシェを見に行って、実際の雰囲気を感じてみる。知り合いに「こんなことを考えている」と軽く話してみる。こうした行動は、生活を一変させるものではありませんが、「考えているだけ」の状態から一歩外に出るための大切な動きです。
この段階で大事なのは、正解を出すことではありません。動いてみることで、「これはできそう」「これはまだ早い」「ここは誰かに聞いた方がいい」と、考えが具体化していくこと。その具体性が、不安を扱える状態に変えてくれます。
◆ 起業への不安があるままでも踏み出せる「最初の一歩」
起業の先輩で成功している人でも、不安はなくなりません。起業に向かって進もうとしている人なおさら不安があるに決まっています。
もし今、「何から始めればいいか分からない」と感じているなら、大きな決断を探す必要はありません。今日できる、小さな行動で十分です。紙に今の不安を書き出してみる。誰かに話してみる。同じ立場の人が集まる場所をのぞいてみる。相談やコミュニティという選択肢を知る。それだけでも、立派な一歩です。
動き出せる人は、不安がないから動いているのではありません。不安があっても、「戻ってこられるサイズの行動」を選んでいるだけです。だから続けられるし、方向修正もできます。
不安はずっとあるものだと思ってください。でもそれでOK。完璧な準備も、強い覚悟もいりません。