「なんとなく不安」「理由は分からないけど怖い」「考えようとすると、気持ちが重たくなる」。起業や新しい一歩を考えていると、こんな感覚になることはとても多いです。そして多くの人が、この状態を「自分の気持ちの問題」「メンタルが弱いから」と捉えてしまいます。
でも実際に相談を受けていて感じるのは、不安の正体は“感情そのもの”ではありません。ほとんどの場合、 整理されていない情報や考えが頭の中で絡まっている状態 なのです。
◆ 不安は「感情」ではなく「混ざり合った情報」
「不安」と一言で言っても、その中身をよく見てみると、かなり具体的な要素が混ざっています。たとえば、お金のこと、時間のこと、家族の理解、集客の方法、続けられるかどうか、失敗したらどうなるか。これらが全部ひとまとめになって頭の中にあると、人は「なんとなく不安」という大きな感情としてしか認識できなくなります。
つまり、不安が強いのは気持ちが弱いからではなく、考える材料が整理されていないから。冷静に一つずつ見れば「今すぐ考えなくていいこと」「情報が足りないだけのこと」「誰かに聞けば解決すること」が混ざっているケースがほとんどです。
◆ 「考えすぎて動けない」は、実は考えられていない状態
よく「考えすぎて動けないんです」と言われますが、これは少しだけ違います。正確に言うと、「考えが深すぎる」のではなく、「考えが分解されていない」状態です。
たとえば「起業したいけど不安」という言葉の中には、「起業=お店を持つ」「収入が安定しない」「家族に反対されるかも」「全部一人でやらないといけない」といった前提や思い込みが無意識に含まれていることがあります。これをそのまま放置すると、どこから手をつければいいか分からず、結果として動けなくなります。
◆ 未整理なまま考え続けると、気持ちはどんどん重くなる
整理されていない考えは、頭の中で何度も同じところをぐるぐる回ります。そして新しい情報が入るたびに、「やっぱり無理かも」「あの人はすごいな」「私には足りない」と、比較や自己否定が増えていきます。
ここで大事なのは、「前向きになろう」と無理をしないことです。必要なのはポジティブさではなく、分けること・言葉にすること です。不安を「感情」として扱うのをやめて、「まだ整理されていない材料」として扱い直すだけで、気持ちは少し軽くなります。
◆ 不安をほどく最初の一歩は「全部わかろうとしない」こと
整理しようとすると、「全部クリアにしなきゃ」「答えを出さなきゃ」と思いがちですが、そこまでやる必要はありません。むしろ逆です。今の段階で大事なのは、「これは今すぐ考えること?」「これは後でいいこと?」「これは一人で抱えなくていいこと?」と仕分けをすることです。
たとえば、お金の不安があるなら「具体的にいくら必要か分からないだけ」かもしれませんし、集客の不安は「方法を知らないだけ」の場合もあります。こうして分けていくと、「不安だから動けない」から「分からない部分がいくつかある」に変わります。この変化はとても大きいです。
◆ 動けない時間は、「整理の途中」
動けない状態にいると、「何も進んでいない」と感じてしまいがちです。でも実際は、ちゃんと考えようとしているからこそ立ち止まっている場合がほとんどです。勢いだけで進まないための、大切なプロセスとも言えます。
動けない=ダメ ではありません。動けない=未整理な部分があるだけ。
そう捉え直せると、「じゃあ、次は何を整理しようか」という視点が持てるようになります。
◆ 不安は、整理できたところから小さく動けばいい
すべてを整理してから動く必要はありません。一つでも「ここは少し分かった」「ここは誰かに聞けそう」と思えたら、それは立派な前進です。話してみる、書き出してみる、同じ立場の人がいる場所に行ってみる。どれも、未整理を整理に変えていくための行動です。